FLO Cycling – FLOホイールによってどのくらいの時間が短縮される?


空気力学的なレースホイールの利点は、全体の抵抗が低減され速くなることです。 2012年、私は130mphの速度で進んでいる間に抵抗を低減することでどのくらいの時間が短縮されるかについて話したブログ記事を書きました。 その記事では、レースホイールが何らかの利点を生むには特定の速度で進む必要があるというよくある誤解があることについて話しました。 実際のところ、それは間違いです。 現実には、進むのが遅いほど、ある距離における短縮時間はより多くなります。 そう、30mph40km走る場合、20mph40km走る場合よりも短縮時間が少なくなります。 直感的ではありませんが、私ができる最も良い説明は、より遅い速度で走ることで、コースを完走するのにより長くかかるため、より長い期間抵抗の低減の利点を体感することができるということです。 


最初の記事を書いて以来、当社の新製品のホイールが全てリリースされたり、当社のデータ収集プロジェクトに基づくNet Drag Reduction Value (純抵抗低減値) の公式を新しいものにしたりしています。 今日、130mphの相対速度における当社の新製品の各ホイールの新しい短縮時間の図を全て共有したいと考えました。 


始める前に
結果について議論する前に、まずは相対速度と下記の算出された短縮時間の裏にある数学について話しましょう。 

相対速度
数学の話に入る前に、理解しておくべき重要な概念があります。 相対速度です。 抵抗を算出する際、その速度は単純に自転車で進んでいる速度ではありません。 相対速度とは、自転車で進んでいる速度と風の速度を組み合わせたものです。 この速度の組み合わせが、相対速度として知られています。 5mphの向かい風に向かって15mphで進んでいる場合、相対速度は20mphとなります。 5mphの追い風を受けて15mphで進んでいる場合、相対速度は10mphとなります。

数値の裏にある数学
元の記事である「FLO Cycling – サイクリングホイールの空気抵抗抵抗を低減することで速度、時間、出力に対してどのように影響が現れるか」では、下記の計算の裏にある数学について詳細に話しています。 興味のある方はご覧下さい。 

FLO Carbon Clincherホイール

FLO 45 Carbon Clincher – 130mphでの短縮時間

FLO 60 Carbon Clincher – 130mphでの短縮時間

FLO 90 Carbon Clincher – 130mphでの短縮時間

FLO DISC Carbon Clincher – 130mphでの短縮時間


FLO Aluminum + Carbonホイール

FLO 60 Aluminum + Carbon – 130mphでの短縮時間

FLO 90 Aluminum + Carbon – 130mphでの短縮時間

FLO DISC Aluminum + Carbon – 130mphでの短縮時間


FLO Aluminum + Carbonホイール

FLO 30 – 130mphでの短縮時間



今回の記事を楽しんで頂けたなら幸いです。 何かご意見やご質問のある方はぜひお知らせ下さい。 

それではお元気で。

ジョン

FLO Cycling – タイヤの空気圧によって空気抵抗は変わる?


誰かがタイヤの空気圧によって空気抵抗が変わると言うのを初めて聞いた時、私はこれは本当なのだろうかと疑問に思いました。  そのことについて考えれば考えるほど、空気抵抗がタイヤの空気圧からどのように影響を受けるのだろうかとさらに疑問を深めました。  タイヤの空気圧を変えると、タイヤの接地面の形状が変わり、最終的にはタイヤの輪郭が変わります。 タイヤの空気圧によって抵抗に差が生まれるとしても、その差は小さなものだろうと私は推測しました。 

この疑問に答えるため、クリスと私は、201511月にA2 Wind Tunnelを訪れた時にタイヤの空気圧が空気抵抗に対して及ぼす影響を調査することに決めました。 

テストの対象
私たちは、23mm Continental GP 4000 S IIを装着したFront FLO 60 Carbon Clincherを、以下の一覧のタイヤの空気圧でテストしました。 

    – 90psi
    – 95psi
    – 100psi
    – 105psi

ホイールのテスト方法
風洞でテストをどのように行うかを定めるのは重要なことです。  変数が無数に存在するため、テストについてあやふやだと結果はあまり明確なものになりません。  A2 Wind Tunnelで行ったホイールのテスト方法はこちらです。

1.  車体重量を測定し、結果から除外しました。

2.  各ホイールは020度のヨー角で風を当て、2.5度ずつ増加しました。 

3.  各測定値は2回取り、平均を取ったものです。

4.  各テストで23mmサイズの同一のContinental GP 4000 S IIタイヤを使用しました。
5.  タイヤの空気圧は、高度に正確なデジタルゲージで測定しました。 


結果

私が間違っていたことが分かりました。 タイヤの空気圧を100psiから95psiに変更することで、40kmでは6秒、Ironmanでは30秒短縮されます。 自転車にはホイールが2つあることを考慮すると、両方を勘定に入れるとこの短縮時間は増加すると思われます。 2倍にはなりませんが、増加します。 

下の表は、上の一覧のpsi測定値に対する短縮時間を示しています。 100psiが最も成績が悪かったため、これを基準と見なしました。 その他のpsiの読み値に対する時間の数値は、100psiテストと比較した際の短縮時間を示しています。 

30秒は非常に大きな数値というわけではありませんが、ゲージが95psiになったら私ならきっと空気をポンプで入れるのをやめます。 

*追記:  空気抵抗のグラフ上でこの結果をご覧になりたい場合、以下のリンクをクリックして下さい。 

それではお元気で。

ジョン

FLO Cycling – A2 Wind Tunnelにおけるタイヤ調査 パート2


本シリーズのパート1では、Front FLO 60 Carbon Clincherホイールに装着した様々なタイヤによって生み出される空気抵抗を調べました。 多くの方がご存知のように、最速のタイヤを探す際、空気抵抗はその公式の半分に過ぎません。 タイヤの回転にどのくらいの出力が必要かを知るには、タイヤの転がり抵抗も考慮しなければなりません。 空気抵抗と転がり抵抗の両方を克服するのに必要なワット数を組み合わせる際にのみ、どのタイヤが最速かを判断することができます。 



各タイヤによって生み出される転がり抵抗を算出するため、1箱分のタイヤをBlather ’bout Bikesのトム·アンハルト氏に送りました。 トムさんはとても尊敬されているエンジニアであり、サイクリングのあらゆることに関する豊富な知識があります。 トムさんは転がり抵抗のテストのための機材を自分で持っており、それは私たちの用途にぴったりでした。 トムさんは各タイヤの転がり抵抗の算出を終えた後、各タイヤが消費した合計ワット数を算出しました。 

その数値を見てみましょう!

ステップ1: 転がり抵抗を算出する

下記の転がり抵抗値を算出するため、以下のテスト手順を用いました。

  • * 自転車の速度は35km/h (21.75mph)
  • * ホイール荷重は45kg (99.21ポンド)
  • * 転がり抵抗の数値はMavic Open Proホイール (120 psi) で測定。

* トムさんが気付いたこと: 120psiMavic Open Proホイールに装着したタイヤの (平坦な) ローラーの転がり抵抗係数は、100psiで内部幅21mmのホイールに装着した場合の転がり抵抗係数とほぼ等しいことが分かりました」

各タイヤの転がり抵抗値と、転がり抵抗を克服するための出力は以下の通りです。 最も速いものから最も遅いものまでの順番で一覧にしています。

ステップ2: 空気抵抗と転がり抵抗を組み合わせる

グラフ上に示されたそれぞれの値について、タイヤの空気抵抗値と転がり抵抗値はワットに変換し、合計しました。 この組み合わせた値は、タイヤを動かすのに必要な合計ワット数を表しています。

注意: 本シリーズのパート1における空気抵抗値と転がり抵抗値を組み合わせる際、データのベータ補正はトムさんによって行われたものであることを留意することが重要です。 トムさんのベータ補正計算は周囲の風を進行方向に対して90 (純粋な横風) と仮定し、任意の自転車の速度におけるヨー角の結果を導き出しています。

1つの図に非常に多くのタイヤがあるため、このデータを相関図で表示するのが最善と考えました。  



ステップ3: 当社のNet Drag Reduction Value (純抵抗低減値) の公式を適用する

それではこのデータは全て何を意味するのでしょうか?  どのタイヤが本当の意味で最速なのでしょうか?  FLOで私たちは、自転車走者がホイールが実地でどのくらいの時間を短縮するか現実的な概算を得られるNet Drag Reduction Value (NDRV、純抵抗低減値) の公式を開発しました。 この公式は、当社の5段階の設計プロセスで収集した110,000個の実地のデータポイントを利用して開発されたものです。 自転車走者が各ヨー角度で平均でどのくらいの時間がかかるかは分かっているため、当社のNDRVの公式は全てのヨー角度における出力値の加重平均を算出することができます。 下の表は、当社のNDRVの公式によって生成される数値に基づいて最も速いタイヤから最も遅いタイヤまでを一覧にしたものです。 出力値が低いほどタイヤが速くなることをご留意下さい。 ワット数は単独のタイヤのものです。


今回の記事を楽しんで頂けたなら幸いです。 下でご意見やご質問をお願いします。 転がり抵抗係数データについて手助けして頂いた全てのことに関して、トムさんに特別な感謝の意を表したいと思います。

それではお元気で。

クリス

FLO Cycling – A2 Wind Tunnelにおけるタイヤ調査 パート1


本シリーズのパート1では、タイヤが空気抵抗に対して及ぼす影響を調べます。 私たちが20114月にA2 Wind Tunnelを初めて訪れた時、タイヤが生み出すことのできる違いの大きさに衝撃を受けました。 一覧にずらっと並ぶほどの数のタイヤをテストする予算があれば、結果はどのくらい向上するだろうかといつも考えていました。

201511月、初回のテストから4年半後、ジョンと私は2016年のホイールの新製品と共にA2 Wind Tunnelに再び赴きました。 2日間の訪問の間に私たちが行った調査は、A2 Wind Tunnelで行われた中で最大のタイヤ調査と噂されています。 当社の新製品のFLO 60 Carbon Clincherに装着したタイヤを合計で20種類テストし、タイヤが空気抵抗に対してどのように影響を及ぼすかを正確に調べました。 


パート2の内容
空気抵抗はタイヤの公式のほんの一部です。 タイヤによって生み出される空気抵抗を克服することに加え、走行中の転がり抵抗も克服する必要があります。 空気抵抗が低いタイヤも、転がり抵抗が高い可能性があります。 この2つの要素を組み合わせると、タイヤ全体としては残念な性能になる場合があるのです。 空気抵抗と転がり抵抗の最良の組み合わせを持つタイヤが、レース中に使用する際の最良のタイヤです。

私はA2 Wind Tunnelでテストしたタイヤの大半をトム·アンハルト氏に送り、彼のローラーでテストしました。 本シリーズのパート2では、空気抵抗と転がり抵抗の両方を組み合わせることで総合的に最良のタイヤを探り出します。

今回は、空気抵抗テストの結果を重点的に見てみましょう。 

テスト
下記はA2 Wind Tunnelで行われた空気抵抗テストのパラメータです。 以下の一覧のパラメータを用いることで可能な限り多くの変数を排除しました。 

– 
風洞風速は30mphに設定しました。
タイヤは全て同一のFLO 60 Carbon Clincherに装着してテストしました。
タイヤの空気圧は95psiに設定し、デジタル空気圧ゲージで測定しました。
抵抗の測定値は、02.55.07.510.012.515.017.5, 20.0度のヨー角で記録しました。
各ヨー角度で測定値を2回取り、その平均を取りました。
車体重量を測定し、結果から除外しました。



タイヤ
私たちは合計で20種類のタイヤをテストしました。 タイヤのサイズの範囲は幅22mm25mmでした。 22mm未満のタイヤは、当社のホイールに装着して使用するには幅が狭すぎるためテストしませんでした。また、幅25mmを超えるタイヤは、現行のロードバイクにはあまりにも一般的に合わないためテストしませんでした。 テストしたタイヤの一覧はこちらです。

* 一覧のタイヤのサイズは、メーカーの名称の慣例に基づいています。 タイヤの幅はリムに装着する際は記載通りではない場合があることをご留意下さい。 例えば、23mmのタイヤはリムに装着する際は幅26mmとなる場合があります。 ご使用のフレーム向けにタイヤを選択する際はこのことをご留意下さい。


結果
私たちは2つの抵抗相関図を作成しました。 1つ目は抵抗 (g) で、2つ目はCdA (m^2) です。 これらの相関図は個別のタイヤをオン·オフすることができます。 下でご覧になれるように、同じ図に20種類のタイヤを全て載せるととてもゴチャゴチャしてしまいます。



時間の短縮
空気抵抗図は素晴らしいですが、これは全て何を意味するのでしょうか。 各タイヤによって路上で短縮できる時間は正確にはどのくらいなのでしょうか、またどのタイヤが空気抵抗面で最良なのでしょうか?  下の表は、各タイヤが40kmレースとIronmanでどのくらいの時間を短縮するかを一覧にしたものです。 最も遅いタイヤを、短縮時間0秒という基準として使用しました。 これらの短縮時間は、当社のNet Drag Reduction Value (NDRV、純抵抗低減値) の公式を利用して算出しています。 当社のNDRVは、当社のホイールの新製品の開発中に収集した110,000個の実地のデータポイントを利用して開発されたものです。 NDRVの詳細をご覧下さい。  


今回のブログ記事を楽しんで頂けたなら幸いです。 本シリーズのパート2では、各タイヤの転がり抵抗を調べ、そのデータを空気抵抗の結果と組み合わせますのでお待ち下さい。 下でご質問やご意見をお願いします。

それではお元気で。

クリス

FLO Cycling – ホイール設計シリーズ ステップ5 – 風洞テストの結果

2014年、私たちはFLO Cyclingのホイール製品の再設計に腰を据えて取り組みました。この5段階の設計プロセスは完了まで15ヶ月かかりました。このブログシリーズでは、設計プロセスを詳しく取り扱います。今回は、5段階の設計プロセスの中のステップ5です。ステップ14についての詳細は、以下のリンクをご確認下さい。


ステップ5 – 風洞テストの結果
A2 Wind Tunnelにて新しいFLO 90 Carbon Clincherを調べている様子

CFDの結果の実地調査

本シリーズのステップ4で、私たちは数値流体力学 (CFD) ソフトウェアを使用してリムの空気抵抗をどのように徹底的に改善するかについて話しました。CFDでの結果を得ましたが、それとは別に、設計が実地で改善をもたらすことを証明するには、風洞でテストする必要があります。私たちは、A2 Wind Tunnelを訪れてホイールの最終テストを行いました。
A2 Wind Tunnelにて新しいFLO 60 Carbon Clincherを調べている様子
ノースカロライナ州のA2 Wind Tunnelを訪問

2012年のFLO 60FLO 90FLO DISCモデルを風洞に持参し、新しい2016年モデルのホイールとの直接比較を行いました。風洞テストから得た結果は、テストのプロトコル全体を理解しない限り読者にとってあまり意味がありません。 私たちはテストプロトコルを完全に開示することを常に信条としているので、以下にその一覧を掲載しました。

FLO Cycling風洞テストプロトコル

  • 車体重量を測定し、結果から除外しました。
  • ラウンドスポーク32本のMavic Open Proを基準ホイールとして使用しました。
  • 各ホイールは020度のヨー角で風を当て、2.5度ずつ増加しました。
  • 各テストで同一のタイヤを使用しました。
  • FLO DISCのバルブカバーはテープで封鎖しました。
  • 各測定値は2回取り、平均を取ったものです。
  • タイヤは全て95 psiに膨らませ、デジタルゲージで測定しました。
Silcaの「Truth」でタイヤの空気圧を95 psiに調整中
A2 Wind Tunnelにて新しいFLO 60 Carbon Clincherをセットアップしている様子

タイヤの選択
私たちは新しいFLO 60 Carbonを基準として使用し、20種類のタイヤをテストしました。特に優れたタイヤを2つ見つけた後、これらのタイヤで新しいホイールの形状を全てテストしました。テストに使用されたタイヤは以下の通りです。 

  • 23mmサイズのContinental GP 4000 S II
  • 23mmサイズのSchwable Ultremo ZX
A2 Wind Tunnelでの新しいFLO 60 Carbon Clincherに装着したContinental GP 4000 S II

結果

私たちは、抵抗 (g) 対ヨー角の空気抵抗グラフを紹介することに加え、私たちがNet Drag Reduction Value (NDRV、純抵抗低減値) と呼んでいるものの結果を紹介することを常に信条としています。 NDRVは、各ヨー角度で費やされる時間の割合を考慮することで低減される抵抗を算出する加重平均関数を用いています。本シリーズのステップ1で収集したデータとステップ2の分析から、私たちは自転車走者が路上でどの種類のヨー角度を体感するかを非常に良く理解しています。このデータを当社のNDRVの公式と組み合わせることで、自転車走者はFLOホイールを使用して実際にどのくらいの時間が短縮されるか現実的な概算を得ることができます。 私たちは、自転車走者がホイールの最速のヨー角度で走行時間の100%を費やすと仮定して短縮時間を算出するのではなく、これを行っています。 NDRVについて完全に理解するには、NDRVの記事をご確認下さい。 
A2 Wind Tunnelでの結果を調べている様子
私たちは、2012年のNDRVの公式を新しいものにしました。2012年、私たちは自転車走者は1020度のヨー角で走行時間の80%を費やしていると考えていました。今では、自転車走者は実際は010度のヨー角で走行時間の80%を費やしていることが分かっています。この発見により、1020度のヨー角で速いホイールの設計を重視するのではなく、より浅いヨー角で空気力学的効果の高いホイールの設計を重視せざるを得なくなりました。2012年のFLOホイールの短縮時間の昔の概算は、新しい方法によるものほど正確ではありません。下で概算を再計算しました。その概算を、新しい2016年モデルと比較しました。
23mmサイズのContinental GP 4000 S IIの短縮時間の概算と改善率
23mmサイズのSchwalbe Ultremo ZXの短縮時間の概算と改善率
A2 Wind Tunnelにてテスト結果とプロトコルについて話し合っている様子
ホイール設計シリーズについての最終的な見解

何らかの新しい技術プロジェクトを開始する際はいつでも、分からないことがたくさんあります。 当社の2016年のホイールの新製品の設計においても違いはありません。私たちは、今まで設計してきた中で最速のホイールを作りたいという思いを認識していました。そしてそれを行うために、今までにないアプローチを取る必要があることを認識していました。1年以上前に私たちがこのプロセスを開始した時にあるアイディアがあり、201511月に風洞に足を踏み入れる時に計画全体が一つになるようにという大きな希望を持っていました。私たちのアプローチは上手くいくという自信がありましたが、風洞テストのお墨付きを得るまでは設計プロセスはただのアイディアのままです。結果を見た後、私たちはその成果に大いに喜びました。当社のベストセラーのフロントホイールであるFront FLO 60の空気抵抗は28%以上改善することができ、従来の90mmホイールより速い45mmホイールを開発することができ、さらには簡単には達成できない当社のDISCホイールの空気抵抗の改善も行うことができました。

当社の現行のAluminum + Carbon FLO 60FLO 90FLO DISCを再設計することに加え、4つの全く新しいCarbon Clincherホイールを生み出して当社の新製品に追加することができました。 新しいCarbon Clincher FLO 45FLO 60FLO 90FLO DISCホイールは、当社の従来のホイールより空気力学的効果が高いだけでなく、セットごとに約1ポンド軽く、路上ではより素直な乗り心地になっています。 

これらの新製品に乗った全ての人がその性能に非常に喜んでおり、読者の皆さんにも喜んで頂けることを私たちは確信しています。2016年シーズンに、そして当社の新製品に乾杯。
A2 Wind Tunnelにて時速80マイルの風で両足で立ち続けようとして楽しんでいる様子
記事について何かご質問のある方はお知らせ下さい。喜んでお答えします。

それではお元気で。


ジョンとクリス

FLO Cycling – ホイール設計シリーズ ステップ4 – 最適化アルゴリズム


2014年、私たちはFLO Cyclingのホイール製品の再設計に腰を据えて取り組みました。この5段階の設計プロセスは完了まで15ヶ月かかりました。このブログシリーズでは、設計プロセスを詳しく取り扱います。今回は、5段階の設計プロセスの中のステップ4です。ステップ1235についての詳細は、以下のリンクをご確認下さい。


ステップ4 – 最適化アルゴリズム

STAR-CCM+での視覚シミュレーション上の新しいFLO 60 Carbon Clincher

なぜ最適化アルゴリズムを使用するのか?

本シリーズのステップ1ステップ2で、私たちはより速いサイクリングホイールの設計に役立つ110,000個の実地の風の測定値の収集とその分析について話しました。私たちは、ソフトウェアでランダムな形状を描くことで何が速いかを推測するのではなく、当社のデータを使用して可能な限り最速のリムをインテリジェントに探すアルゴリズムを開発したいと考えました。 

STAR-CCM+での視覚シミュレーション上の新しいFLO 45 Carbon Clincher

最適化アルゴリズムの作成

業界トップクラスの数値流体力学ソフトウェアが、CD-adapcoSTAR-CCM+です。その能力と精度は目を見張るものがあり、私たちはこれがこのプロジェクトの頼りになる解決策であると認識していました。このソフトウェアの弱点の1つは、演算の完了に時間がかかる場合があることです。この規模のプロジェクトに必要な計算の回数は、シングルプロセッサのコンピューターでは不可能なものでした。このことが分かっていたため、私たちはCD-adapcoの社内技術チームと提携して、このプロジェクトを手伝って頂くことに決めました。CD-adapcoの技術チームと提携したことによる利点がいくつかあり、それは以下の通りです。

  • CD-adapcoのスーパーコンピューターにアクセスし、ずっと速い速度で解を演算することができるようになりました。
  • 博士号を持つ2名の数値流体力学のエンジニアに、フルタイムで当社のプロジェクトに取り組んで頂きました。 両名とも流体力学とSTAR-CCM+の操作において非常に精通していました。
STAR-CCM+での新しいFLO DISCのスクリーンショット

チームが万全になったところで、私たちはアルゴリズムのパラメータセットの構築を始めました。 各パラメータは重要度によって重み付けしました。アルゴリズムの開発のために使用したパラメータはこちらです。

  • 私たちは主に空気抵抗の低減を重視しました。
  • 横風での安定性は、以前のモデルから維持または改善されることになりました。
  • ホイールの自転車との適合性を確保するため、次元パラメータの一覧を用意しました。
  • 設計される幅の範囲ごとに次元パラメータの一覧を用意しました。例として、新しいFLO 60の幅は56mm65mmのいずれかになります。
  • 最終製品が製造可能でリムとして自転車に搭載した時に機能的であるようにするため、次元パラメータの一覧を用意しました。
カスタムアルゴリズムの開発に加え、私たちはメッシュの正確性を重視しました。メッシュとは、テストオブジェクトを取り囲むデジタルセルの数です。セルの数が多いほど、集められるデータはより良いものになります。 CD-adapcoのスーパーコンピューターの能力があることを知っていたため、メッシュの構築の際は費用を惜しみませんでした。 私たちが設計したリムの各形状のデータを収集するセルは合計で600万個を超えました。これは、当社の元々のFLOホイールの設計の際に使用したメッシュの約3倍です。 

アルゴリズムとメッシュの用意ができ、CD-adapcoのスーパーコンピューターで演算を開始しました。シングルプロセッサのコンピューターで計算を行っていたとしたら、完了まで1,334 (4.5) かかっていたでしょう。CD-adapcoのスーパーコンピューターの能力を利用することができたため、2ヶ月で計算が完了しました。このプロジェクトがどのくらい大きいかを知って頂くために説明すると、元々のFLOホイールの設計は、シングルプロセッサのコンピューターで28日、またはスーパーコンピューターで約1日かけて進められていました。 

STAR-CCM+での視覚シミュレーション上の新しいFLO 90 Carbon Clincher

最適化プロセスの全容

当社のアルゴリズムは、可能な限り最速のリムの形状を見つけるため、500個のプロトタイプをインテリジェントに繰り返し処理して洗練させていきました。設計ごとに、4つのヨー角度で数値を求めました。 2.5度、7.5度、12.5度、そして17.5度です。各ヨー角度において、ホイールを回転することで形状を変化させ、それからモデルを再メッシュ化しました。アルゴリズムは角度ごと、設計ごとにこれを500回繰り返しました。プロセス全体は、Javaマクロを使用して自動化されていました。それぞれの数値を求めるのに、32個のCPUで完了まで2時間かかりました。以下は、最速のリムの形状を探している際にリムの各形状に対して行われた修正回数と、リムの各形状に費やした演算時間です。

スーパーコンピューター

リムの形状の修正回数
FLO 45 = 150回の繰り返し処理
FLO 60 = 150回の繰り返し処理
FLO 90 = 200回の繰り返し処理
FLO DISCFLO 90の形状を使用しており、FLO 90の設計に最適化されました。 

ホイールのモデルごとに費やした時間
FLO 45: 300時間
FLO 60 : 300時間
FLO 90 : 400時間

最後の段階は、A2 Wind Tunnelで結果を検証することでした。 本シリーズのステップ5をぜひ確認して、全容をお読み下さい。

記事について何かご質問のある方はお知らせ下さい。喜んでお答えします。

それではお元気で。

ジョンとクリス

FLO Cycling – ホイール設計シリーズ ステップ3 – 3Dモデリング

2014年、私たちはFLO Cyclingのホイール製品の再設計に腰を据えて取り組みました。この5段階の設計プロセスは完了まで15ヶ月かかりました。このブログシリーズでは、設計プロセスを詳しく取り扱います。今回は、5段階の設計プロセスの中のステップ3です。ステップ1245についての詳細は、以下のリンクをご確認下さい。


ステップ3 – 3Dモデリング
新しいFLO Cyclingのリムの形状をモデリング中
3Dモデリングはなぜ重要なのか?

2016年のホイールの製品を設計する際の私たちの目標は、数値流体力学 (CFD) ソフトウェアを使用してプロセスの最適化を促すことでした。CFDソフトウェアは非常に有用で正確ですが、与えられるデータの質によって容易に限界が訪れます。CFDソフトウェアをセットアップする際に正しく行うには、重要なことが2つあります。1つ目は、仮想環境と、気流をシミュレーションし計算を完了させるためのメッシュです。 2つ目は、仮想環境で調査する3Dモデルの正確性です。 

2016年のホイールの設計に関して、私たちはCD-adapcoの才能ある技術チームと提携しました (詳細は本シリーズのステップ4にて)CD-adapcoが当社の新しいリムの形状を最適化できるようにするため、ホイールとタイヤの可能な限り正確な3Dモデルを作成する必要がありました。3Dモデルが素晴らしければ、高度に正確なタイヤとリムのインターフェースを表現でき、それはより優れた実際の製品につながります。

3Dの形状をどのようにモデリングしたのか?

CFDは、当社のカーボンリムの形状の空気力学的効果を可能な限り高めるための最適化にを促すことになりますが、私たちはあるものを変更しようとしませんでした。それは、リムに装着するタイヤの形状でした。前回の調査でContinental GP 4000 S IIタイヤが用意できたものの中で空気力学的に最速のタイヤであることが分かったため、私たちは3DタイヤモデルのベースをGP 4000 S IIの形状で23mmサイズにすることに決めました。3Dモデルを正しく作るのに重要なもう1つのディテールは、タイヤとリムのインターフェースでした。タイヤとリムの装着の相性は空気力学的性能に大きな影響を及ぼすため、これを可能な限り正確にする必要がありました。 

実際のリムとタイヤを3Dモデルに変換するため、FLO 30リムに装着されたContinental GP 4000 S IIタイヤの型を作ることに決めました。これによりそのシステムの3D表現を得ることができ、それをAutodesk Inventorを使用して3Dモデルに変換しました。

タイヤとリムの型
型を3Dモデルに変換中

CFD
最適化プロセスの開始

リムに装着されたタイヤの正確な3Dモデルにより、その後当社の全ての現行のサイクリングホイールの3Dの基準モデルを作成することができました。私たちは、FLO 6090DISC、そして発表予定だった新製品の幅45mmホイールの3Dモデルを作成しました。 
FLOの普通の1日、犬も含めて
これらの3Dモデルを設計することによって、CFDソフトウェアでその3Dモデルを操作して可能な限り最速のリムの形状を探すことができるようになりました。設計パラメータの一覧を用意することで (本シリーズのステップ4で話します) リムの形状とタイヤとリムのインターフェースを調整し、新しいモデルを作成することができました。当社の2016年のホイールの設計に使用される、その結果できた基準モデルの絵をいくつかこちらで紹介します。 

基準モデルが完成したので、CFDの作業を始める時がやってきました。これについては本シリーズのステップ4で話します。

記事について何かご質問のある方はお知らせ下さい。喜んでお答えします。

それではお元気で。


ジョンとクリス

FLO Cycling – ホイール設計シリーズ ステップ2 – データ分析


2014年、私たちはFLO Cyclingのホイール製品の再設計に腰を据えて取り組みました。この5段階の設計プロセスは完了まで15ヶ月かかりました。このブログシリーズでは、設計プロセスを詳しく取り扱います。今回は、5段階の設計プロセスの中のステップ2です。ステップ1345についての詳細は、以下のリンクをご確認下さい。


ステップ2 – データ分析
走行後にデータを分析中

なぜデータを分析したのか
?

本シリーズのステップ1で、私たちは様々なIronmanコースと走行シナリオでどのように実地データを収集するかについて話しました。カスタムデータロガーを使用し、合計でヨー角と相対速度を組み合わせた110,000個の測定値を収集しました。私たちは、より速いサイクリングホイールの設計の役に立つ一貫したパターンをデータの中から見つけることを願っていました。

どのようにデータを分析したのか?

データを分析する際、私たちは設計に有用なパターンを見つけるために4つの主要な部分を重視しました。

1. 相対速度、ヨー角、時間の関連性
下記のように関連性を調査することで、走行中に風がどのように自転車走者と接触するかについて良く理解することができました。私たちは、データを2つの方法で分類しました。 

まず、時速1マイルの範囲を用いてデータを相対速度で分類しました。例えば、時速34マイルの間での測定値を全て考慮しました。相対速度で分類したデータで、各範囲の個別の平均ヨー角度と費やされた時間の割合を調査しました。 

2つ目のデータの分類方法は、ヨー角度の範囲を1度にすることでした。例えば、01度のヨー角の全ての測定値に着目しました。ヨー角で分類したデータで、各範囲の個別の平均相対速度と費やされた時間の割合を調査しました。 

2. 風のデータは走行ごとにどのように変動するか?
Ironman 70.3オーシャンサイドで海岸沿いを走る時、何が起こるのでしょう? Ironman 70.3シルバーマンのような内陸コースを走っている時、それはどのように変わるのでしょう? ドラフティングを行っている時、何が起こるのでしょう? 私たちは各走行を個別に詳しく見て、原因の説明の必要がある差があるかどうかを判断しました。ステップ1の要点を繰り返すため、私たちがテストの実施場所として使用したコースとシナリオをこちらで紹介します。

Ironmanコース
Ironman 70.3シルバーマン
Ironman 70.3セントジョージ
Ironman 70.3オーシャンサイド
Ironmanワールドチャンピオンシップコナ (コースの一部)

走行シナリオ
下り
登り
海岸での走行
森林エリア
ドラフティング
スプリント
ひと続きの下りの後にデータを分析中

3. 
動画分析
測定値を環境と比較するため、GoProの映像を使用しました。例として、1秒未満の間続くとても大きなヨー角の読み値が見つかった場合、それは何が原因で起こったのでしょう? 下の動画は、私たちの走行の1つからのGoProの映像です。


4. 外れ値を特定する
ほとんどのデータセットには、より良い結果を導き出すという意図で無視されることのある外れ値があります。例として、相対速度時速0マイルで走行すると、ヨー角度センサーは風による影響がないため、自由に回転します。この間に測定される不規則なヨー角度は役に立たないデータです。なぜなら、相対速度時速0マイルの状況では空気抵抗がないからです。この場合、この読み値を排除することで全体の結果がより良くなります。
  
何が見つかったのか?

データのクリーニング
データを分析した後、以下の結論が判明しました。

1. 全ての走行の走行データは、非常に一貫したパターンを示していました。圧倒的に共通していたため、全ての走行データを残りの分析と組み合わせました。海岸での走行、内陸での走行、登り、下りの間に差はあったのでしょうか? 差はありました。しかしとても小さな差だったので、より優れたホイールを設計しようとしてそれらの差を区別するのは合理的ではなかったでしょう。

2. 相対速度時速3マイル未満での測定値はかなり一貫性がなく、信頼性のない結果を導き出していました。そのため、相対速度時速3マイル未満で記録された測定値は全てデータセットから除外されました。

3. 20度を超えるヨー角の測定値は、データセットから除外しました。そう、20度を超える異常なヨー角の測定値は見られますが、それが発生するのは非常に短い時間の間 (主に1秒未満) であり、以下のシナリオのいずれかによって生み出されたものです。

  • 自転車走者のそばを自動車が通り過ぎた。
  • 自転車走者が建造物を通り過ぎた後に突風に当たった。
  • 相対速度の読み値が低かった (主に時速1マイル未満) 
  • ヨー角度センサーが上記の3つのシナリオのいずれかが発生した後に安定化している最中だった。
4. 最終的に、私たちは-20度~20度のヨー角の測定値と時速3マイルを超える相対速度の測定値を全て考慮しました。この新しいデータセットにより、走行時間の100%に説明がつきました。

結果
下のグラフと表は、自転車走者が各ヨー角度の範囲において費やす時間の割合を示しています。例えば、自転車走者が01度のヨー角で費やす時間は11.15%です。注意: マイナスのヨー角の測定値は全て、下記の範囲に入れられています。
自転車走行時のヨー角度の範囲で費やされる時間の割合

自転車走行時のヨー角度の範囲で費やされる時間の割合

重要な設計パターンの発見

分析後、私たちは次の空気力学的なサイクリングホイールの製品の設計に利用できる非常に有用なパターンがいくつかあることを発見しました。それは以下の通りです。
  1. 1. ヨー角度が増加するにつれて、対応する範囲内で費やされる時間の割合は減少します。 上の図は、このことをグラフを用いて示しています。
  2. 2. 自転車の走行時間の50%が、05度のヨー角で費やされます。 
  3. 3. 自転車の走行時間の約80%が、010度のヨー角で費やされます。 
  4. 4. 1020
    のヨー角で費やされる自転車の走行時間はわずか約20%です。 
  5. 5. 私たちは、走行時間の80%が、均等な時間の分布で1020度のヨー角で費やされると考えていました。この新しい結果は、正反対のことを告げています。 現実には、走行時間の20%1020度のヨー角で費やされ、各ヨー角で費やされる時間はヨー角度が増加するにつれて減少します。
この新しいデータを役立てる前に、テスト用の基準モデルを組み立てる必要がありました。 本シリーズのステップ3 (タイトルは「3Dモデリング」) をご覧下さい。

記事について何かご質問のある方はお知らせ下さい。喜んでお答えします。

それではお元気で。


ジョンとクリス

FLO Cycling – ホイール設計シリーズ ステップ1 – データ収集


2014年、私たちはFLO Cyclingのホイール製品の再設計に腰を据えて取り組みました。この5段階の設計プロセスは完了まで15ヶ月かかりました。このブログシリーズでは、設計プロセスを詳しく取り扱います。今回は、5段階の設計プロセスの中のステップ1です。ステップ25についての詳細は、以下のリンクをご確認下さい。


ステップ1 – データ収集
Ironmanワールドチャンピオンシップコナのコースでのデータの収集 
なぜデータログを取るのか?

自転車走者が走行中に風とどのように接触するか分からない場合、どうすれば空気力学的なサイクリングホイールを設計することができるでしょうか? 簡潔に答えると、できません。 平均ヨー角についてはいくつかの説があります。ある調査では平均ヨー角は比較的浅く10度以下であることが示唆されていますが、自転車走者が費やす時間の80%のヨー角が10度~20度であることを示唆している調査もあります。 

当社の2012年のホイール製品は、より高いヨー角度を示唆する説に基づいて設計されました。 当社のホイール設計の再設計に取り組み始める前に、私たちは路上で実際に何か起こるかを完全に理解する必要があることを認識していました。 また、海岸やドラフティング、登り、下りで走るなどの特定の走行シナリオにおいて何が起こるかを理解する必要もありました。

どのようにデータを収集したか?

実地データを収集するため、走行中のリアルタイムの風のデータを記録できる機器を組み立てる必要がありました。データを有用なものにするには、センサーは正確である必要があるだけでなく、精度が優れている必要があり、十分に高い頻度で測定値を収集する必要がありました。データ収集機器には3つの重要な要素をまとめて入れました。その要素とは以下の通りです。

データロガー

データロガーとは、センサーからの測定値を記録するコンピューターです。私たちは以下の理由から、Onset Hobo Micro Station Data Loggerを選びました。  
  • 高い頻度 (1) で記録する
  • 正確性が優れている (25°C (77°F) で、最初のデータポイントで02秒、1週間につき±5)
  • 小型である
  • 当社独自のカスタムセンターと接続することができる
Onset Hobo Micro Station Data Loggerの仕様の詳細をご自由にご確認下さい。
取り付けて有線接続したデータロガー
ヨー角度センサー

ヨー角度センサーは、自転車走者と接触する風の角度を測定します。例として、風が自転車の前方から自転車走者に直接吹いている場合、ヨー角は0度となります。風が自転車走者の右手側で自転車走者に直接当たっている場合、ヨー角は90度となります。十分に高い正確性と十分に低い角度の分解能のヨー角度センサーを見つけることは、かなり困難なものとなりました。最終的に、ドイツの会社にLufft Wind Sensor Professional Model 14521を特注する必要があり、それを取り付けるハイエンドカーボンバイクよりも高価になりました。そのヨー角度センサーの重要な仕様がいくつかあり、それは以下の通りです。
  • 出力: 420mA
  • 正確性: +/-1
  • 分解能: 1度未満
Lufft Wind Sensor Professional Model 14521 Yaw Angle Sensorの仕様の詳細をご自由にご確認下さい。 
ヨー角度センサー、相対速度センサー、バッテリー
相対速度センサー

相対速度センサーは、自転車走者と接触する風の速度を測定します。多くの人々は、自分の自転車の速度は風の速度であると考えていますが、これは本当ではありません。 2つの例をこちらで紹介します。10mphの向かい風に向かって20mphで走っている場合、相対速度は30mphとなります。 10mphの追い風を受けて20mphで走っている場合、相対速度は10mphとなります。 相対速度を記録するため、この作業に向いているOnset Wind Speed Smart Sensor S-WSB-M003を選びました。

Onset Wind Speed Smart Sensor S-WSB-M003 Relative Velocity Sensor
の仕様の詳細をご自由にご確認下さい。

完成したデータロガー
自転車に取り付けられる前の完成したデータロガーの写真を何枚かこちらでお見せします。
自転車に取り付けられる前の完成したデータロガー
自転車に取り付けられる前の完成したデータロガー
自転車への取り付け

データロガーとセンサーを組み立てた後、それを自転車に接続する必要がありました。私たちは、ユニットを空気と最初に接触する部分にしたかったため、ユニットを自転車の前部に取り付けることを選びました。自転車走者の身体や自転車の部品との一切の干渉を望みませんでした。 

データロガーを自転車に取り付けて走行

走行中の視点からのデータロガー

このデータロガーは、路上で1秒ごとにヨー角度と相対速度の測定値を記録します。こちらは稼働中のユニットの写真です。

何のデータを収集したか?

私たちは様々なIronmanレースコースと多種多様な走行シナリオでデータロガーを取り付けて走ることを選びました。また、GoProを自転車に取り付けることで、数値をあらゆる出来事の時点で発生したことと同期させることができました。それぞれこちらの一覧に載っています。

Ironmanコース
Ironman 70.3シルバーマン
Ironman 70.3セントジョージ
Ironman 70.3オーシャンサイド
Ironmanワールドチャンピオンシップコナ (コースの一部)

走行シナリオ
下り
登り
海岸での走行
森林エリア
ドラフティング
スプリント
Ironman 70.3セントジョージコースでデータを収集中
Ironman 70.3セントジョージコースでパンクしたタイヤを交換中
収集したデータの合計量

合計で、55,000個の読み値 (110,000個の測定値) を収集しました。私たちは、このデータを有用なものにするには、データを分析してより優れたサイクリングホイールの設計に役立つパターンを探す必要があることを認識していました。当社の分析、そしてホイール作りのプロセスの次の段階については、本シリーズのステップ2 (タイトルは「データ分析」) をご覧下さい。

コナにて調整中

記事について何かご質問のある方はお知らせ下さい。喜んでお答えします。

それではお元気で。


ジョンとクリス

FLO Cycling – 空気抵抗対重量 – 追跡調査


私たちは1月末にブログ記事を書き、そのタイトルは「大論争空気抵抗対重量」でした。  この記事を書くため、私たちはBest Bike Splitを支える頭脳であるライアン·クーパー氏と共同で、いくつかの非常に人気のある自転車コースに対してホイールの空気抵抗と重量が及ぼす影響のシミュレーションを行いました。 目標は、空気抵抗と重量のどちらがより時間を短縮するかを判断することでした。 ラルプ·デュエズを登った場合を除き、全てのコースで重量のある空気力学的なホイールセットの方が、非常に軽量ながら空気力学的でないホイールセットよりも速かったです。 

その記事を投稿した後、私が回答を試みたいと思った質問がいくつかありました。 それがこちらです。

1. 90/DISCの組み合わせの重量を減らした場合はどうなりますか?
2. FLO 30はエクストリームコースではどうですか?

前回の記事でテストのプロトコルを説明しているため、ここでは繰り返しません。 私たちがどのように結果を得たかについて何かご質問がある場合、第1回の記事である「大論争空気抵抗対重量」をお読み下さい。

パート3では当社の2016年モデルのホイールを取り上げます!

免責事項: 下の一覧のFLO 90/DISC (軽量版) は純粋な仮定上のものです。 FLO 90/DISC (軽量版) の空気力学特性は、当社の標準のFLO 90/DISCと全く同じです。 このことは、当社のFLO 90/DISCと、より軽量かつリムの深いフロントホイールセットまたはディスクホイールセットとの単純比較はできず、下の一覧と同じ結果を得ることを当然のように想定することはできないことを意味しています。 比較対象のホイールセットが当社のFLO 90/DISCよりも空気力学的でない場合、短縮時間は減少します。 記事を読む際にはこのことをご留意下さい。また、軽量かつリムの深いホイールがどれもFLO 90/DISC (軽量版) と同じ結果だと思い込まないようにして下さい。

コース、最新版のホイールセット、自転車走者の詳細を確認してみましょう。 


Ironmanコース

私たちは平坦なコース、起伏のある丘陵のコース、そして長距離の一定した登りのあるコースを選択しました。 丘陵のコースでは重量がより重量となるため、重量の利点を可能な限り最大限にするために丘陵のコースを入れたいと考えました。 選択したIronmanコースはこちらです。 

平坦コース – Ironmanフロリダ
距離: 112マイル
合計標高差: 991フィート

起伏コース – Ironmanコーダリーン
距離: 112マイル
合計標高差: 4,804フィート

長距離クライムコース – Ironmanレイクプラシッド
距離: 112マイル
合計標高差: 4,612フィート

エクストリームコース

私たちは空気抵抗がより重要であると非常に固く信じているため、人々が知る中で屈指の険しい丘陵があることで知られる2つのコースも選択しました。 それがこちらです。 

SavageMan 70
距離: 55.7マイル
合計標高差: 6,717フィート

ラルプ·デュエズ
距離: 8.2マイル
合計標高差: 3,514フィート
平均勾配: 8.1%



ホイールセット



空気力学的なホイール

FLO 30/30: 1,624g
FLO 90/DISC: 2,259g
FLO 90/DISC (軽量版): 1,670g (現実的に可能性のある重量に基づきます)

空気力学的でないホイール
私たちは、重量のみ異なる2つの仮定上の空気力学的でないホイールセットを作成しました。 このホイールが持つ空気力学特性は、Mavic Open Proなどの一般的なトレーニングホイールのものにしました。 

トレーニングホイール (軽量版): 1,100g
トレーニングホイール (重量版): 2,259g

自転車走者

私たちは、大多数の男性の年齢層のアスリートと近似していると思われる自転車走者のシミュレーションを行いました。 これにより、現実的なシミュレーションを行い、当社の読者の最も多い層にとって有用なデータを取り続けることができました。 アスリートのプロフィールはこちらです。 

自転車走者の体重 – 170ポンド
自転車走者のFTP – 250ワット
自転車1 – Cervelo P2
自転車2 – Cervelo S5 (ラルプ·デュエズのシミュレーションでのみ使用)

この自転車走者は75%FTPで全てのコースを走行すると仮定します (ただし、ラルプ·デュエズの場合を除きます) ラルプ·デュエズでは、この自転車走者は100%FTPの力を使います。


結果

Ironmanコース

基準タイムは下記の各Ironmanコースで設定されました。 トレーニングホイール (重量版) のコース完走タイムを基準タイムとして用いました。 その後、その他の全てのホイールセットを基準と比較することで、空気抵抗の改善と重量の減少のどちらが短縮時間に対してより大きな影響を及ぼすかを調べました。  

Ironmanフロリダ
Ironmanフロリダ自転車コース標高
基準タイム
トレーニングホイール (重量版2,259g): コースタイム: 5時間2144

重量のみ改善した場合の短縮時間
トレーニングホイール (軽量版1,100g): コースタイム: 5時間2142
短縮時間2



空気抵抗のみ改善した場合の短縮時間

FLO 90/DISC (2,259g): コースタイム: 5時間1255
短縮時間529 = 849


空気抵抗と重量を改善した場合の短縮時間

FLO 90/DISC (軽量版1,670g): コースタイム: 5時間1239
短縮時間545 = 95
Ironmanコーダリーン
Ironmanコーダリーン自転車コース標高
基準タイム
トレーニングホイール (重量版2,259g): コースタイム: 6時間136

重量のみ改善した場合の短縮時間
トレーニングホイール (軽量版1,100g): コースタイム: 5時間5954
短縮時間102 = 142



空気抵抗のみ改善した場合の短縮時間

FLO 90/DISC (2,259g): コースタイム: 5時間5546
短縮時間350 = 550


空気抵抗と重量を改善した場合の短縮時間

FLO 90/DISC (軽量版1,670g): コースタイム: 5時間5457
短縮時間399 = 639


Ironmanレイクプラシッド
Ironmanレイクプラシッド自転車コース標高

基準タイム
トレーニングホイール (重量版2,259g): コースタイム: 6時間011

重量のみ改善した場合の短縮時間
トレーニングホイール (軽量版1,100g): コースタイム: 5時間5839
短縮時間92 = 132


空気抵抗のみ改善した場合の短縮時間

FLO 90/DISC (2,259g): コースタイム: 5時間5145
短縮時間506 = 826


空気抵抗と重量を改善した場合の短縮時間

FLO 90/DISC (軽量版1,670g): コースタイム: 5時間510
短縮時間551 = 911


エクストリームコース
上記の通り、FLO 30/30ホイールセットをテスト走行に追加し、いくつかの世界有数の険しい丘陵のコースでどうなるかを調べました。 他のホイールとの比較は以下をご覧下さい。 


SavageMan

ここは世界有数の険しい丘陵のハーフIronmanコースです。 このコースをフルIronmanに換算すると、実質13,434フィートの登りがあります。 Ironmanレイクプラシッドの約3倍険しい丘陵となります!

SavageMan 70自転車コース標高

空気力学的でないホイール
トレーニングホイール (軽量版1,100g): 3時間2043


空気力学的なホイール
FLO 90/DISC (2,259g): 3時間1939

FLO 30ホイールセット
FLO 30/30 (1,624g): 3時間1942


FLO 90/DISCホイールセットが一応勝っていますが、FLO 30/30ホイールセットとは3秒差しかありません。 30mmホイールでこの結果は非常に印象的だと感じています。


ラルプ·デュエズ

前回の記事で、ラルプ·デュエズが重量対空気抵抗の限界点であると紹介しました。 とは言うものの、それが起こるにはラルプ·デュエズである必要がありました。 ご存知ない方のために説明すると、ラルプ·デュエズは世界有数の困難な登りがある場所です。 わずか8.2マイルで3,514フィートの登りになっています。 私たちは、FLO 30をこの登りで走らせたらどうなるのかを調べたいと考えました。 FLO 30の重量の減少と空気力学的な利点の追加によって、1,100gのホイールセットに勝つことはできるのでしょうか?  


注意この登りがどのくらい大きいかを知って頂くため、フルIronmanコーダリーンコースの上に重ねました。 この登りがわずか8.2マイルの間にあることをお忘れなく。Ironmanコーダリーンの登りが完全に小さく見えます。 これを登ることを想像できるでしょうか!
Ironmanコーダリーンの上に重ねられたラルプ·デュエズ
空気力学的でないホイール
トレーニングホイール (軽量版1,100g): 1時間946


空気力学的なホイール
FLO 90/DISC (2,259g): 1時間109

FLO 30ホイールセット
FLO 30/30 (1,624g): 1時間944


FLO 30/30ホイールセットが確かに新たな勝者となりました。 わずか2秒差の勝利ですが、これを採用します (^_-)

ほぼ全てのレース状況において空気抵抗の方が重量よりも依然としてずっと重要であることは明らかですが、空気抵抗を改善することに加えて重量を減らすことで速度の最後のひとかけらをひねり出すことができることが分かりました。 当然の疑問となるのが、なぜFLOホイールは比較的軽量ではないのか? ということです。  嘘はつけません。大きな疑問です。 その正直な答えがこちらです。

まず第一に、私たちの目標は高品質の、空気力学的な、安価なレースホイールを製造することでした。 私たちは、空気抵抗と品質を重視しました。 品質とは、質の高い部品 (ハブ、ベアリング、スポーク、リム)、走行性能、剛性、アルミニウムのリムによるより優れたブレーキを指します。 品質を犠牲にすれば、ホイールの空気抵抗や軽さもどうでもよくなり、誰も乗らなくなると私たちは考えます。 空気抵抗はそれに僅差で続いて重要でした。直前の2つの記事で証明したように、ごく典型的なレース状況において重量よりも指数関数的に時間を短縮するためです。 私たちは顧客にとって何が最も有益かを重視したいと考え、成し遂げました。

さて、私たちはどのように進んでいくのでしょう?  私たちは第1世代のFLOホイールをもっと軽量なものに作ることができたかもしれませんが、それではコストが大きくなっていました。 2010年は特にそうです。 2010年以降、素材と製造に変更があり、会社としての研究開発費用の支払い能力にも変化があります。 悲劇を防ぐため、将来は新しい世代のFLOホイールを作り、必ず重量に重点を置きます。 品質と空気抵抗は当社の優先事項であり続けるでしょうが、再設計の際は重量に着目するつもりです。

新しいホイールの設計の計画は当面はないということをお伝えしておきます。 ジョンと私は当社の最新の製品に必死に取り組んでおり、それにはかなりの時間と資源が費やされています。 まだ名前は付けられませんがこの新製品が市場に出たら、第2世代のホイールが私たちの次のミッションとなりそうです。

今回の追跡調査記事を楽しんで頂けたなら幸いです。 下でご意見やご質問をお願いします。 

それではお元気で。

クリス